旧車のバッテリー充電 ── 電流の選び方、液面、危ないサイン
充電器の「0.8A・2A・6A・10A」「STD・AGM」は何を選べばいいのか。開放型バッテリーの液面、充電後に見る電圧、そして「こうなったら止める」サイン。
なぜ先にバッテリーなのか
GPZ400のキャブを切り分ける前に、バッテリーを満充電にした。理由は単純で、 バッテリーが弱いとアイドリング中の火花が弱くなり、濃い側の症状(プラグの黒さ・温まると止まる)を増幅するからだ。 油面が原因という見立ては変わらないが、電気が足りない状態で切り分けると結果がぶれる。
GPZ400のバッテリーと充電の数字
| 項目 | 値 | 備考 |
|---|---|---|
| 標準バッテリー | YB12A-AK(GSユアサ) | 開放型(液入り・補水式)。12V 12Ah(10時間率)。「K」はセンサー付きの意味で、中身はYB12A-Aと同じ |
| 標準充電電流 | 1.2A | 容量の1/10。メーカー指定 |
| 充電器のモード | STD | 開放型用。AGM/ISS/DEEP/Li-ionは別種類のバッテリー用 |
| 充電器の電流 | 0.8A か 2A | 6A・10Aは車用。バイクには使わない |
| 満充電後の電圧(30分以上放置して) | 12.6V 以上 | 12.4Vを切ると要注意、12.0V以下は交換を考える |
| 走行中の電圧(充電系の確認) | 13.5〜14.5V | 5,000rpm付近で測る。13V以下=充電していない、15V以上=レギュレーター異常 |
| 液面 | UPPER と LOWER の線の間 | 減っていたら精製水を足す |
充電時間の目安(12Ah・残量70%から)
| 電流 | 時間 | |
|---|---|---|
| 0.8A | 4〜6時間 | おすすめ |
| 2A | 2〜3時間 | 急ぐとき |
充電器は満充電を検知して自動で止まる(維持充電に移る)ので、つなぎっぱなしでいい。 時間はあくまで目安で、古いバッテリーほど長くかかる。
01|充電器の設定 ── 何を選べばいいか
自分が使っているのは BAL No.2734(12V専用・最大10A)。 バッテリーの種類と電流を選ぶ方式で、ここで迷う人が多いので整理しておく。
バッテリーの種類(モード)
| 表示 | 意味 | GPZ400は |
|---|---|---|
| STD | 開放型(液入り・キャップを開けて補水するタイプ) | これ |
| ISS | アイドリングストップ車用(車) | 使わない |
| AGM | 密閉型(MF)。液を吸わせたガラスマットが入っている | MFバッテリーに載せ替えていればこれ |
| DEEP | ディープサイクル(キャンピングカー・船) | 使わない |
| Li-ion | リチウムイオン | 鉛バッテリーには絶対に使わない |
見分け方。上面にキャップが6個並んでいて、横に UPPER/LOWER の線があれば開放型=STD。 キャップがなく、上面が平らで「MF」「密閉」と書いてあれば AGM。
電流
バッテリーの容量(Ah)の1/10が標準充電電流。 12Ahなら1.2A。 充電器にぴったりの段がないときは、低いほうを選ぶ。
| 電流 | |
|---|---|
| 0.8A | いちばん安全。時間はかかる。バッテリーを傷めない |
| 2A | 12Ahなら短時間なら許容範囲。急ぐときに |
| 6A・10A | 40Ah以上の車用。バイクのバッテリーに流すと発熱して液が沸く |
順番(火花を出さないために)
開放型バッテリーは充電中に水素ガスを出す。火花が飛べば引火する。だから「つなぐ順番」が決まっている。
- 充電器の電源はまだ入れない
- 赤クリップを +端子 につなぐ
- 黒クリップを −端子 につなぐ
- それから充電器の電源を入れる
- 終わったら、充電器の電源を切ってからクリップを外す(黒 → 赤 の順)
⚠ 電源を入れたままクリップをつけ外しすると、その瞬間に火花が飛ぶ。 ガスが溜まっていればそこで引火する。
02|充電中に見ておくこと(開放型)
液面
キャップの横、ケースの側面に UPPER LEVEL と LOWER LEVEL の線がある。 6セル全部が、この線の間に入っているか見る。
- 減っていたら精製水を足す。バッテリー液(希硫酸)は足さない ── 減ったのは水だけで、硫酸は残っているから
- UPPERを超えて入れない。 充電で膨らんで溢れる
- 1セルだけ極端に減っているなら、そのセルが壊れかけている
キャップ
充電中はガスが出る。キャップを外すか、ゆるめておく。 換気のいい場所で。 密閉した箱の中で充電しない。
触ってみる
充電中にバッテリーの側面を触って、熱いと感じたら止める。 ぬるい程度は正常。手を当てていられないほど熱いのは、電流が大きすぎるか、バッテリーが内部で壊れている。